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僕ロニクル 〜ゆるゆる、シンプルに生きたい男の年代記〜

30代男の日常を徒然なるままに。旅、仏像、文房具、手帳、シンプルライフ、料理なんかに釣られます。

2016年6月の読書記録 10冊読了。空前のミステリー(マイ)ブームと国語辞書ブームが到来

書評

もう7月も4日ですが6月は読書が自分の中では結構捗ったので振り返り。ちょうど10冊。何故か空前のミステリーブームが個人的に起こってまして、ひたすらミステリー物を読んでました。ミステリー特に本格ミステリーと呼ばれるジャンルのものは元々あまり読んだことがありませんでしたので、ネットでオススメなんかを検索して手当たり次第、有名所を選んだといった感じでした。

あ、そのミステリーブームの少し前には空前の国語辞書ブームが起こってました。ちょうど6月初旬。それに影響されて国語辞書を2冊も買ってしまいました。

舟を編むからの国語辞書ブーム 

「辞書になった男 ケンボー先生と山田先生」 佐々木健一 著

ちょっと前にAmazonのプライムビデオを利用して映画「舟を編む」を観ました。とても面白く観たのですが、国語辞書を作るというのは大変なものだなと、そしてとても深く面白い世界だなということに気付かされました。それは今まで全く気にも留めないでいた世界でした。そして、その影響から小説版の「舟を編む」を読み、ますます国語辞書に興味が湧いてきました。

今の御時世、ネットで検索すれば言葉の意味を調べることは簡単ですし、それこそ辞書アプリでもスマホに入れておけば、重たい辞書をわざわざ持ち運ぶことも無いのですよね。実際うちの本棚には国語辞書は一冊もありませんでした。勿論学生時代にはあったはずですが、何度かの引っ越しの末に国語辞書はいつの間にか処分してしまっていたんですね。電子辞書は持っていたし、ネットもあればそれで充分だと。でも国語辞書を読み物として捉えるとやはりデジタルではなく、実体としての辞書が欲しい。そう思って三省堂の三省堂国語辞典を買ってきました。

 

三省堂国語辞典 第七版

三省堂国語辞典 第七版

 

 実際に書店に足を運び、何冊もの辞書を比較した結果、個人的に一番見やすくしっくりときたのが三省堂国語辞典。

その三省堂国語辞典の編集に携わった中心人物が、

辞書になった男 ケンボー先生と山田先生

辞書になった男 ケンボー先生と山田先生

 

辞書になった男のケンボー先生こと見坊豪紀(けんぼうひでとし)先生なんです。

ところで、元々三省堂には明解国語辞典という国語辞典がありました。その時編集主幹をしていたのもケンボー先生。そして辞書になった男のもう一人、山田忠雄先生も協力していた。二人はもともと東大の同級生でもあったんです。その明解国語辞典から生まれた兄弟が三省堂国語辞典と新明解国語辞典。三省堂国語辞典はケンボー先生が編集主幹。対して新明解国語辞典は山田先生は編集主幹となりました。二人は別々の道を歩むことになり、そしてその道は二度と交わることはなかったようです。因縁浅からぬこの二人のドラマがこの「辞書になった男」。国語辞典という一見、無味乾燥にも思えるものにどれほどの情熱が注がれていることか。その一端を垣間見ることが出来ます。そして二人は別々の道を行くことにはなったけれど、互いに尊敬しあってもいたのかなと思います。二人のエピソードの端々に互いへの思いがちょっとずつ出てくるんですね。その辺りにグッと来ます。

「新解さんの謎」 赤瀬川原平 著

三省堂国語辞典を買ったばかりだというのに、間を置かずして山田先生編集の「新明解国語辞典」も買ってしまいました。

 

新明解国語辞典 第七版

新明解国語辞典 第七版

  • 作者: 山田忠雄,柴田武,酒井憲二,倉持保男,山田明雄,上野善道,井島正博,笹原宏之
  • 出版社/メーカー: 三省堂
  • 発売日: 2011/12/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 5人 クリック: 15回
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 なんで買ってしまったかといえば「新解さんの謎」を読んだから。

新解さんの謎 (文春文庫)

新解さんの謎 (文春文庫)

 

一口に国語辞典といっても各辞書によってかなり違いがあるようです。編集者の考えが如実に現れるわけですね。なかでも新明解国語辞典の語釈はかなりユニークであることで知られているようです。そんなおもしろ語釈を取り上げたのが「新解さんの謎」。と言っても強烈なまでの語釈は第3版、第4版、第5版位までで今僕が持っている第7版ではかなり穏当にはなっているようですが。「恋愛」の語釈なんかが有名ですね。第5版あたりを古本で買いたいなと思ってます。

matome.naver.jp

 新解さんの謎では面白おかしく、独特の語釈を紹介してくれていますが、「辞書になった男」を読むと何故そういった辞書作りをするようになったのか、少し分かるような気もします。そういう意味では国語辞典に興味を持ったなら「辞書になった男〜」はおすすめ。

「学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方」 サンキュータツオ 著

 

学校では教えてくれない!  国語辞典の遊び方

学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方

 

 辞書には個性があるんだ。と思うととてもおもしろいものに思えてきます。で、そんな国語辞典の様々な特徴を教えてくれるのが「国語辞典の遊び方」 。新語に強いとか、語釈がシンプル。とか色々な個性があります。まず国語辞典を買う前にこの本を読んである程度知識を入れておくのも良いかも。

さて、突然のミステリーブーム

国語辞典ブームがまだ収まる気配を見せない中、平行してミステリーブームがやって来ました。ミステリーと言っても所謂本格ミステリーと言うんでしょうか、密室、大きな屋敷、怪しげな人々、大掛かりなトリック・・・。松本清張なんかは好きで昔良く読んだのですが、ああいったリアリズム、社会派のものでは無くエンターテイメントとしてのミステリーをふと読んでみたくなりました。いままであまり馴染みのないジャンルでしたので、ネットで評判の良さそうなものをチェック。

そうするとなんとなく評価の高そうなものは共通してでてきます。

その代表格がこちら。

十角館の殺人 綾辻行人 著
十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 まさに「そうそうこういったものが読みたかった」と膝を打った一冊。綾辻行人さんの館シリーズは数多く出版されていますが、これがそのシリーズ第1作。昔「時計館の殺人」は読んだことがあったのですが、やはりデビュー作ということで挑戦。いやー見事に騙されたといいますか、もうなるほどなるほどと唸るばかり。これぞミステリー小説。僕のような初心者にはうってつけの一冊かと。

その次に手を出したのがこれ。

「占星術殺人事件」 島田荘司 著
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

 

「ミステリー オススメ」なんて検索するとまず間違いなく挙がってくるのが、上の「十角館の殺人」とこの「占星術殺人事件」です。

これも勿論初めて読んだのですが、どこかで聞きかじった前情報が頭のどこかにあったのか、トリックについては ある程度見当がついてはいました。ただ見当がついたからと言って途中で投げ出すことなど出来ない魅力がこの本にはあります。

 

 「陽気なギャングが地球を回す」「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎 著

本格ミステリーでは無いけれど、この時期読書欲が高まっていて、本棚に転がっていた未読のこちら2冊を立て続けに。

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

 
陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

 

 伊坂幸太郎さんは読みやすいですし、何も考えずにグイグイ引っ張ってくれるから暇つぶしにはもってこいのエンターテイメント。ミステリーとは違うけど、おしゃれな会話や綺麗な伏線の回収、さすがです。

この後に読んだのが

「すべてがFになる」森博嗣 著 
すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 

 発売日を見ると1998年とありますね。もう20年近く前の作品なのか。作中にはコンピューターなどの(執筆当時からみた)先端であったであろうテクノロジーが描かれていて、ともするとそういった先進テクノロジーは20年も経てば色あせて映るはずですが、この作品にはそういった所が無い。勿論古びて見えるところもあるけれど、全体としてはその世界観が2016年の今読んでも陳腐化しておらず破綻していないのはすごいことだなと。当然専門家が見れば違った感想かもしれないけど、あまり詳しくない僕のような人間にはそう思えました。

森博嗣さんの小説を読むのは初めてでしたが、「作家の収支」「自由をつくる自在に生きる」などの著作を読んだことがあるのですが、すごく頭の良い人なんだろうなと思ってました。今回小説を読んでその印象は更に深まりました。よくもまあこんなトリックを作り上げたなと。この作品もシリーズ物でS&Mシリーズというのがあるようですので順番に暇を見つけて読んで観たいと思っています。

 

作家の収支 (幻冬舎新書)

作家の収支 (幻冬舎新書)

 

 

自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)

自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)

 

 続きまして。

「ハサミ男」殊能将之 著
ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

映画化もされているようですね。麻生久美子さんが出ているから観たいな。

6月に読んだミステリーの中で一番度肝を抜かれたのがこの作品かな。どれか一つオススメをと聞かれたらこれと答えるでしょう。

「おおおおおっ!」と唸りましたねー(笑)すごい。途中でいつの間にか・・・「あれっ?あれっ?」って感じで何度が読み返す事必至です。 ああ、言いたい^^言いたいですけど是非とも前情報を入れずに読んでいただきたいです。

この辺まで来て自分の中にミステリーブームが起こっていることにようやく気づきます。そういやこんな本ばっかり読んでるなと。

 で自覚を持って選んだのが、

「水車館の殺人」綾辻行人 著
水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 館シリーズ第2作目。基本的にはこちらのブログ

【名作選】最強に面白いおすすめ国内ミステリー小説50選 | 300books

の方の勧めるがままに読む本を選んでいるのですが、

その中で館シリーズの3作目、「迷路館の殺人」をおすすめしていてそれには2作目も読んだほうが良いとのことでそれに従って。

こちらにもまた怪しげな人たちや薄気味悪い洋館が登場するんですよねー。なんとも言えず不気味なんですがそれがいい。「現在」と「過去」の章が交互に描かれるのですが、ちょっとづつ過去の事件が解り始め、そしてまた現在でも事件が起こるのではないかとハラハラで緊張感が半端ないです。3作目を読むための前座かとおもいきやとんでもない。とても素晴らしい作品でした。

 

そんなわけで2016年6月は10冊の本を読みました。内7冊はミステリーもの。かなり偏ってはいますがまあ、これを機に7月もミステリー物を片っ端から読んでみたいと思います。