ボクロニクル / Bo-Chronicle

アラフォーど真ん中、片道切符の人生折り返し。生きた軌跡を残していこうと思います。そんな僕の年代記、ボクロニクル。

京都 酒場探訪記 名店赤垣屋の誠実な仕事に心を打たれた

今週のお題特別編「はてなブログ フォトコンテスト 2015夏」

 

京都に2015年夏の旅行に行ってまいりまして。

以前大阪に行った時には酒場探訪として明治屋を訪問しましたが、

 

bochronicle.hatenablog.com

 

今回京都ではこちらも居酒屋の聖地、赤垣屋を訪問しました。

ここ赤垣屋も太田さんおすすめの酒場で

太田和彦の居酒屋味酒覧〈第三版〉―精選173―

では「京都を代表する名居酒屋」と評しています。

当然太田さんファンとしては一度は行っておかねばと思っておりました。

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赤垣屋さん。

京阪三条駅から鴨川沿いを北に歩いて5,6分といったところかな。川沿いなのでとてもわかり易い場所にあります。

といっても四条、三条あたりの繁華街からは少し離れているので周りはひっそりとしたところ。一見してひなびた貫禄のある佇まい。王道の居酒屋と言った感じでしょうか。

 

早めに行かないと常連客ですぐにいっぱいとのことで夕方5時半頃にお店に到着。

縄のれんをくぐると町家風といいますか奥に細長い造り。

磨きこまれたカウンターにはすでにお客さんでいっぱいで小上がりになった小さなテーブル席に案内されました。

 

これがなんともラッキーでその後に来たお客さんはみんなお断りされていたので、本当にギリギリのタイミングでした。よかった。もし行かれる方はお早めに行かれるか、小上がりの方は予約もできるようです。

 

町家らしく坪庭がありその奥には座敷もありました。

座敷から中庭を見ながらのお酒もまた風流でよさそうですね。

 

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小上がりから入り口障子戸を一枚。

夏だからか少し戸は開け放してありました。

 

駅から歩いてきたので、座るともうどっと汗が吹き出します。

当然空調なんて無いですがこの熱気がむしろ心地よいです。

とりあえず瓶ビールを。

 

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ビールと共に供された突き出し。

小芋と胡麻豆腐。どちらも絶品。あっさりと炊いた小芋には青柚子の皮がすりおろしてあり清涼感があります。冷たいお出汁が京都らしくとても淡く、上品。

胡麻豆腐もしっかりと胡麻の香りが立ちそれでいてくどくなく、この真夏でもするっと口に入り、もうこの時点でこのお店が間違いない事がはっきりと分かりました。

 

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経木に書かれた手書きのメニューがいいです。メニューじゃなくてお品書きと言ったほうがしっくりくるかな。

下の印刷されたものもそうですが基本的に値段は書かれていません。

といっても心配するほどの値段にはきっとならないと思います。

 

僕らも「これくらいかなー」と想像していたのとほぼ同じくらいの金額でした。

まあ真っ当な居酒屋値段です。

激安居酒屋店みたいな安さではもちろん無いですけどね。しっかりとした仕事にはそれなりの対価を払うのが当然です。

 

あっさりビールを飲み干して、お酒を冷酒で。

京都伏見の名誉冠。この時期はなかったのですが、秋から春までは樽酒があるようです。ちょっと肌寒くなった頃、樽酒をぬる燗でいきたいですね。こんどは涼しくなってから来よう。

名誉冠はコクの有る濃厚な味わい。

その後頂いた新潟の越の誉はキリッと淡麗辛口。

どっちかというと順序が逆だったかな。

でもどちらも美味しいお酒でしたよ。個人的な好みとしては越の誉でしたが、まあ京都に来ているからには地のものを味わいたいというのは人情なわけで。

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しめサバ。締めすぎではなく酸味も柔らか。生姜とミョウガのいいアクセント。

 

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京都といえば鱧ということで、ハモの落としは梅肉で。うん、京都っぽい。夏っぽい。

素晴らしい。

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こちらも京都を代表する食材、万願寺しし唐。焼きびたし。こういう地のものをいただくといいですねえ、旅感が出る。

それにしても地元で食べる万願寺とここの万願寺ではやっぱり味が違うような気がするなあ。気のせいですかね?

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水なす。これが京都産かどうかは確認していませんが、京都のナスはなぜ美味しいんでしょうか?変なアクが全くない。でもしっかりと茄子の味はする。美味しい。

こちらは浅漬け。夏のビールのアテには最高です。

 

この後、おでんを2,3品頂いて。おでんもまた京風のあっさりとした、でも滋味深いお味でした。

おでんといえばおでん鍋の前に立つ板前さんがとてもイケメンでしたね。

大将らしきかたも無骨な俳優さんみたい。えーと、名前は出てこないんですが、よく刑事物なんかで怖い官僚役とかする人。わかんないですよね。まあいいや。

ひょっとしたらおでん前のイケメンは息子さんなのかな?なんとなく似ているような。

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こういう酒場で長居は無用と最後に頼んだのは焼き鳥。

一見普通の焼き鳥ですが、肉がふわっと焼きあがってとてもジューシーで、「ああ、いいなあ」と心から思いました。

焼き鳥をただ単に焼くだけではない、誠実な仕事が垣間見えてとても嬉しい気持ちになりました。

ここのお店の人たちはみんなキビキビしていて、清潔感があり、有名店でありながらも物腰が柔らかくて実に気持ちが良かったです。変に大声で威勢がいいだけではない真面目な接客。

きっと大将の人柄がこういうところにも出ているんでしょうね。

 

僕らが帰る頃、一杯だったカウンターも一巡してチラホラと空きがありました。

赤垣屋を狙うなら開店直後か、一巡した6〜7時くらいがいいかもしれませんね。

 

というわけで京都の名酒場、赤垣屋。旅先でいいお店に巡り会えるととてもいい思い出になりますね。お店の雰囲気、料理、酒、接客どれをとっても心に残るとてもいいお店でした。

 

フォトコンテストだそうでちょっと多めに写真をアップしてみました。

まあほぼすべてiphoneで撮った簡単なものですけどね。大体僕は写真を撮るのがうまくないんですよねえ。少し写真も覚えたいなあとは常々思ってはいるんですがね。

それでもいつか写真を見返した時、この良き酒場が鮮明に思い出されるのはきっと間違いないでしょう。そういう意味では僕にとってはこれらの写真は「良い写真」と言っていいんじゃないかと思います。

 

太田和彦の居酒屋味酒覧〈第三版〉―精選173―

太田和彦の居酒屋味酒覧〈第三版〉―精選173―

 

 

 京都の酒場探訪記に関してはこの本が素晴らしいですよ。

ひとり飲む、京都

ひとり飲む、京都